租税訴訟13号104-125頁、財経詳報社

 本論においては、併合審理等については、不服審判制度が争点主義的運営を行っていることに着目して、第一に、争点主義的運営の妨げにならない範囲で認めることが妥当であると結論づけた。

第二に、アカウンタビリティーあるいは説明責任(受忍義務)を果たそうとしない納税者については、併合審理等の範囲を広義に捉え、総額主義的運営を行うことが妥当であると結論づける。

 本論においては、納税者はアカウンタビリティーを含む受忍義務をいかに果たすかが重要であることを論ずる。このような受忍義務を果たすために、納税者と租税行政庁あるいは国の信頼関係がなければ、納税者は情報提供に対し消極的にならないことがあげられ、双方の努力により受忍義務が果たされ、租税行政の円滑な遂行・運営に資することを論ずる。