経営会計研究第23巻17-31頁、日本経営会計学会

 建設業の談合金については、使途秘匿金課税の対象となり、政策的な課税が行われる現状にある。本論においては、建設業の談合金については、使途秘匿金課税を行うことは妥当でないと結論づけた。

 建設業の談合金については、使途秘匿金と費途不明金と交際費等のいずれかに該当するかが問題となる。このような問題が生ずるのは、法律の規定が明確でないことから発生しており、租税法律主義の見地から問題である。

 しかしながら、多くの先行研究が租税法律主義に反すると論ずるところであるが、税制改正がなされない現状がある。このような現状をふまえたうえで、税務会計学における建設業の談合金に係る問題について論じ、使途秘匿金課税については、廃止すべきであると結論づけた。また、使途秘匿金課税を行う場合には、より明確な規定を設けるべきであるといえる。