月刊税務事例55巻1号45-52頁、財経詳報社
本論は「買収のれん」について、多角化戦略の一環として行われたM&Aを前提として論ずるものとする。
「買収のれん」については、相続人と被取得企業のそれぞれの経営資源が有機的一体となって「買収のれん」として価値を発生させるものがある。相続人と被取得企業の経営資源が結合することによって、イノベーション等が生じ、結果的に新たな所得を得ることが期待され、M&Aが行われることがある。
この場合に、当該「買収のれん」について、相続税における営業権をどのように取り扱うかが、租税訴訟学会令和4年度研修・研究大会「課税庁による否認権濫用と弁護」において取り上げられており、検討を行うこととした。 また、営業権の評価における全体的な税務会計学的研究については、既に別稿 で取り上げたとおりである。