税務会計研究第30号、257-264頁、第一法規
法人税基本通達9-4-1は「法人がその子会社等の解散、経営権の譲渡等に伴い当該子会社等のために債務の引受けその他の損失負担又は債権放棄等(以下9-4-1において「損失負担等」という。)をした場合において、その損失負担等をしなければ今後より大きな損失を蒙ることになることが社会通念上明らかであると認められるためやむを得ずその損失負担等をするに至った等そのことについて相当な理由があると認められるときは、その損失負担等により供与する経済的利益の額は、寄附金の額に該当しないものとする。」と明示する。
当該通達が「社会通念上明らかである」場合とは、どのような場合であるのかが問題となる。他方で、子会社等の損失負担等については、親会社の社会的責任により負担することが考えられ、当該責任を果たさなければ、企業存続の条件を逸脱することがあげられ、タックス・マネジメントにおいて重要な意義があるといえる。
本稿は、法基通9-4-1に着目し、社会的責任の見地から、子会社等の損失負担等の金銭については、原則として損金として認めることが妥当であると結論づける。