観光まちづくり学会誌第16号14-25頁、観光まちづくり学会
持ち帰りのための飲食料品の譲渡については、「食べ歩き」と密接な関係があり、軽減税率の対象となる飲食料品の譲渡等に該当するかが問題となる。消費税法が複数税率を採用するにあたり、租税実務の事務負担が過大となること、事前のタックス・リスク・マネジメントが重要となることがあげられる。
本論においては、軽減税率の対象となる飲食料品の譲渡等の判断時点について、どのように捉えるべきかを論ずるものである。本論においては、国税通則法の規定する納税義務の成立時期において結論付け、軽減税率の対象となる飲食料品の譲渡等を行った時点において判断されると結論付けた。すなわち、納税義務の成立後、遡及的に標準税率あるいは軽減税率が適用されることは妥当でないと結論付けた。具体的には、飲食料品を引き渡した際に、「食べ歩き」をすると意思表示された後に、飲食に用いられる設備(テーブル)などを利用した場合であっても軽減税率の適用がなされると結論付けた。