税務事例58巻2号、32-41頁。

問題と背景

問題の所在: 新しい「収益認識会計基準」では、リベートを「返金負債」として認識し、売上(収益)から減額して処理する。この際、将来の返金額を「見積もり」で計上するため、その不確実性や検証可能性が税務上の課税所得計算において問題となる 。

比較の軸:

  • 収益認識基準: リベートを見積もり、売上から控除する(純額主義的アプローチ)。
  • 権利確定主義(従来の税務): 売上は総額で認識し、リベートは債務が確定した時点で損金算入する(総額主義的アプローチ・債務確定主義) 。

結論

原則(権利確定主義): 課税の公平性と円滑な税務行政の観点から、従来の権利確定主義(リベート控除前の総額を益金とし、リベート確定時に損金とする)を原則とすべきである。これは、見積もり要素を排除し、確実な事実(引渡しや支払)に基づいて測定できるためである 。

例外(公正妥当な会計処理): ただし、法人税法22条の2第2項が定める「一般に公正妥当と認められる会計処理の基準」として、収益認識基準(返金負債を控除した額での益金認識)を採用することも例外として認められるのが妥当である 。