租税理論研究叢書33、115-129頁、財経詳報社
会計学における会計公準は、企業会計の基礎的前提であり、先行研究においても尊重されているものである。会計の目的が異なる場合に、その基礎的前提も異なることは予定される。環境会計と税務会計は、企業会計とは異なる目的の会計なため、異なる基礎的前提を用いることが考えられる。
環境会計は、物量単位を用いることから、会計公準と異なる基礎的前提に拠る社会科学と考えられる。税務会計については、税務会計公準論が論じられており、会計公準と異なる基礎的前提に拠る社会科学と考えられるが、税務会計公準論を論じずに税務会計原則をとりあげるものもあり、会計公準を基礎的前提とする社会科学と考えることもできる。
本論においては、環境会計と税務会計の基礎的前提についてとりあげ、会計公準との関係を論ずるものとする。また、社会的責任については、継続企業の公準と首尾一貫するものであるから、会計公準に拠れば社会的責任が充足できるものと結論づける。