経営会計研究第21巻2号、日本経営会計学会
本論は、税務職員の誤指導が行われた場合に、国税通則法63条6項の規定に限って、納税の猶予の規定を適用する場合に、納税者は国税通則法46条1項および国税通則法46条2項の適用がないとすれば、納税の猶予の機会はより狭義となる。このため、納税者の権利に資することを目的として論ずるものである。本論においては、国税通則法46条2項の適用は可能であると解すと結論付けた。
先行研究において、税務職員の誤指導における納税の猶予を検討するものは皆無であった。租税法の研究の多くが、所得課税の研究が中心であったことがあげられる。
このため、本論においては、第一に、税務職員の誤指導に関する基礎研究を検討した。第二に、納税の猶予の規定の「災害」について検討を行った。第三に、延滞税の免除の規定の調整について検討を行った。